こんにちは,M2の江見です.
今回は少しマニアックなお話をしようと思います.
今年の4月,僕は新しいキーボードを購入しました.購入したのは,Majestouch Black 茶軸 テンキーレス です.見た目よし,打ち心地よしのキーボードです.
しかし,1つだけ大きな不満がありました.それは,Caps Lock キーと Ctrl キーの位置です.僕は普段 Ctrl キーを使用することが非常に多く,Ctrl キーの位置によって,ストレスフリーなプログラミングライフを過ごせるかどうかが決まります.愛用している MacBook Pro のキーボードは,「A」キーの左隣に Ctrl キーがあるため,小指でスムーズに押すことができますが,このキーボードは「A」キーの隣に Caps Lock キーが配置されています.Caps Lock キーは,押すと打つアルファベットが全て大文字になるキーです.名の通り,一度押すとロックがかかり,解除するには Shift + Caps Lock キーを押す必要があります.大文字を多用する場合には便利ですが,Ctrl キーのつもりで押してしまうとかなりストレスが溜まるキーです.
そこで,この2つのキーを入れ替えることにしました.最初はソフトを使い解決しようとしましたが,次の2点の問題が浮上しました.
- 2つのキーを入れ替えてもロック機能が残ってしまい Ctrl キーを使うたびに解除する必要がある (ハードの問題?).
- 使用する計算機が変わるたびにキーの入れ替えの設定が必要になる.
どちらも耐え難い問題です.一時は諦めかけていましたが,乃村先生からキーボードの配線そのものをいじってみたらどうかと助言をいただきました.目から鱗です.
実は,キーボードの仕組みは非常に簡単です.キーボードの内部には,配線が格子状に敷かれており,キーが押されるとある行と列の配線が通電します.通電した行と列の組み合わせでどのキーが押されたを認識するという寸法です.つまり,配線をいじってしまえば,内部的にキーの対応を入れ替えることが可能となります.
そこで,早速キーボードを分解し,入れ替えにチャレンジしてみました.中学校の技術の授業で電気の点かないスタンドを完成 (?) させた経験のある僕ですが,無事入れ替えることはできるのでしょうか.
注意: 当然ですが,キーボードの分解,改造は,メーカー非推奨です.Majestouch に関しては,ネジを外すためにシールを破った時点で,保証の対象外になります.真似をする場合は自己責任でお願いします.
まずは裏面のネジを外し,キートップを外します.なかなか爪が固く,苦労しました.
キートップを外し,さらに2つネジを取ると,今度は裏面を外せます.裏面を外すとキーボードの基板が出てきました.かっこいい.
それでは,問題となっている Caps Lock キーと Ctrl キーを探します.うれしいことに,このキーボードには裏面のスイッチに対応するキーを記載してくれています.画像下部に Ctrl_L と書かれた黒い丸があり,その上に2つの配線が伸びています.左側の Ctrl キーが押されるとこの2つの配線が通電するようですね.Caps Lock キーに関しても同様です.
では,まずはこれらを切り離してしまいましょう!カッターナイフで雑にガリガリ削ってしまいます!こんな感じに.
これで,キーを押しても配線が通電しないため,2つのキーは使い物にならなくなりました.(ついでに右下の配線が F5 キーとも繋がっていたため,F5 キーも使用不能になってしまいます)
ちゃんと切り離せたかを確認するために,テスターを使うといいでしょう.僕はテスターを持ってなかったので,ブレッドボードで簡易テスターを作って確認しながら作業しました.通電してたら LED が光ります.
それでは,切り離した部分とキーが押されると通電する部分を配線で繋ぐことで,2つのキーを入れ替えます!乃村先生から工具一式 (はんだごて,はんだ,フラックス,はんだ吸い取り線など) をお借りして,配線していきます.完成品は以下のようになりました.
銅線に直接はんだ付けするのが非常に難しかったです.中々はんだが乗らず,特に写真の一番下の部分は何度もやり直しました.
配線が終わったら,テスターで通電するか,余計なところが通電していないかを確認します.問題なければ,最後に動作確認をします.はんだ付けに手間取ったため,心配でしたが,無事 Caps Lock キーと Ctrl キーが入れ替わっていることを確認できました!
基板をいじりだしてからは1人きりでの作業になったため,不安で仕方ありませんでしたが,なんとか成功することができました.これで無事,僕の QOL (Quality Of Life) が向上しそうです!今までほとんど経験のなかった電子工作ですが,勇気をもって挑戦してみて良かったです.今後も大学生の内に色々挑戦したいですね.